1. 高速液体クロマトグラフとは?HPLCの基礎知識
高速液体クロマトグラフとは、送液ポンプや自動圧力調整弁などを用いて液体の移動相を加圧しカラムを通過させ、固定相・移動相との相互作用を利用して液体の混合物から成分(分析種)を分離・検出する分析装置です。
高速液体クロマトグラフは英語で「High Performance Liquid Chromatograph」と表記し、その頭文字を取って「HPLC」と略称されるほか、日本語では「液クロ」と呼ぶこともあります。
そもそも「クロマトグラフ」とは、化学・物理的な性質や相互作用による影響を利用した物質の分離手法である「クロマトグラフィー」を用いた分析機器のことです。なお、クロマトグラフ・クロマトグラフィーによる測定結果は「クロマトグラフ」と呼びます。
高速液体クロマトグラフィーは、定性・定量の2つを行う際に利用する分析手法の中で最もポピュラーな方法といわれています。
1-1. 高速液体クロマトグラフで分析できるもの
高速液体クロマトグラフは、液体中に溶解している成分を分離して定性・定量分析できます。対象となる分析種は、低分子から高分子、さらにイオン性・非イオン性まで多種多様で、医薬品から食品、工業製品、環境水などの幅広い産業分野で用途があります。
分野ごとの主な対象化合物群の例は、下記の通りとなっています。
医療・製薬 原薬・低分子医薬品・核酸・ペプチド・糖たんぱく質・脂質 など
飲食料 糖類・ビタミン・抗生物質・残留農薬・食品添加物・トランス脂肪酸 など
化学・工業 原料・化成品・合成物・反応生成物 など
環境・水・土壌 農薬・除草剤・無機酸・有機酸・有機フッ素化合物 など
1-2. 高速液体クロマトグラフの原理
高速液体クロマトグラフィーは、液体または液化した物質サンプルをカラムに注入し、注入された複数の試料成分がカラム内を通過する際の通過速度を利用して成分を分離するというのが原理となっています。
基本的に、カラム内は「試料成分」「固定相」「移動相」の3つの要素があります。
試料成分 分析対象の液体中に溶解している成分
移動相 ポンプで送液される液体
固定相 カラム内に充填されている球状粒子に化学修飾された官能基
カラムに注入されたサンプル中の複数の試料成分は、カラム内を通過する際に固定相と移動相に対する相互作用の違いによって、通過速度の差が生じます。
試料成分と移動相の相互作用が強ければ通過速度が上がり、早い段階でカラムから出てきます。反対に、試料成分と固定相の相互作用が強ければ通過速度は下がり、比較的ゆっくりと出てくることが特徴です。
2. 高速液体クロマトグラフによる分離手法の種類
高速液体クロマトグラフは、送液ポンプや試料注入装置、カラム、検出器、データ処理器といった装置で構成されており、用途に応じて3つの分離モードを選択できます。
ここからは、高速液体クロマトグラフにおける「逆相クロマトグラフィー」「順相クロマトグラフィー」「ゲル浸透クロマトグラフィー」の3つの分離モードについて、それぞれ詳しく説明します。
2-1. 逆相クロマトグラフィー
逆相クロマトグラフィーとは、低極性のカラムに高極性の溶媒を流すことによって、炭素鎖の短い成分から炭素鎖の長い成分までを溶出させる分離手法です。高速液体クロマトグラフにおける3つの分離モードの中でも、最も頻繁に用いられます。
逆相クロマトグラフィーの場合、固定相には「ODSカラム」など低極性の充填剤を使用します。移動相には溶出力の強い溶媒としてメタノールやアセトニトリルを、溶出力の弱い溶媒として水を用いることが基本です。
固定相 低極性の充填剤(ODS)
移動相 メタノール・アセトニトリル・水
相互作用 疎水性
2-2. 順相クロマトグラフィー
順相クロマトグラフィーとは、高極性のカラムに低極性の溶媒を流し、低極性成分から高極性成分までを溶出させる分離手法です。逆相クロマトグラフィーをサンプルの「疎水性の差」に応じた分離手法とするなら、順相クロマトグラフィーはサンプルの「親水性の差」に応じた分離手法といえます。
順相クロマトグラフィーの場合、固定相にはシリカゲルをはじめとした高極性の充填剤を仕様します。移動相には溶出力の強い溶媒としてクロロホルムや酢酸エチルを、溶出力の弱い溶媒としてヘキサンを用いることが基本です。
逆相クロマトグラフィーと違って用途が限定されているものの、ほかの分離モードとは異なる特性をもつことから使用目的によっては非常に有用となります。
固定相 高極性の充填剤(シリカゲル)
移動相 有機溶媒(クロロホルム・酢酸エチル・ヘキサン)
相互作用 親水性・吸着
2-3. ゲル浸透クロマトグラフィー
ゲル浸透クロマトグラフィーとは、合成高分子物質の分子量および分子量分布を測定する分離手法です。英語では「Gel Permeation Chromatography」と表記し、頭文字をとって「GPC」と略称します。クロマトグラフによっては、「ゲルろ過クロマトグラフィー」とあわせて「サイズ排除クロマトグラフィー」とも総称されます。
ゲル浸透クロマトグラフィーの場合、固定相にはサンプル分子のサイズに適した「物質がシートを通過できるポアサイズのカラム」を、移動相にはサンプルを適切に溶解する非水系の有機溶媒を使用します。
一般的に化学工業分野におけるポリマー分析に導入されており、3つの分離モードの中では最も用途が限定されています。
固定相 サンプル分子のサイズに適したポアサイズのカラム(ポリマー)
移動相 非水系の有機溶媒
相互作用 ゲル浸透
3. 高速液体クロマトグラフにおける定性・定量とは?
高速液体クロマトグラフィーでは、クロマトグラムに示されたピーク時間と面積値によって分析種の定性・定量を行います。しかし、定性・定量が具体的に何を指すのかが分からないという方もいるでしょう。
定性とは、「分析種のピーク時間」を指します。したがって、定性分析では「各成分がどのような化合物なのか」を把握することが可能です。例えば、標準試料のアスパルテームと清涼飲料水を試料として同条件で測定するケースにおいて、清涼飲料水のクロマトグラムに「標準試料と同じタイミングで溶出した一定のピーク」があった場合、そのピークはアスパルテームによる検出器の応答だと判断できます。
そして定量とは、「分析種のピークの大きさ」、いわゆる面積値や積分値を指します。ピークの大きさは成分濃度に比例するため、定量分析を行うことによって「各成分がどれくらいの質量・濃度なのか」を把握できます。
分析種の分析実施前には標準溶液を複数測定し、「試料濃度」と「定性分析によって得られたピーク」にもとづいて検量線を作成します。定量分析では、作成した検量線にもとづいて試料中の存在量を算出し、定量を行うことが基本です。
まとめ
高速液体クロマトグラフとは、固定相・移動相との相互作用を利用して液体の混合物から「分析種」と呼ばれる各成分を分離・検出する分析装置です。定性・定量を行う際に利用する分析手法の中では最もポピュラーな方法とされており、「HPLC」や「液クロ」とも呼ばれています。
医薬品から食品、工業製品、環境水などの幅広い産業分野で用途があり、使用目的に応じて「逆相クロマトグラフィー」「順相クロマトグラフィー」「ゲル浸透クロマトグラフィー」の3つの分離モードを利用できます。
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1. 什么是高效液相色谱法? HPLC 基础知识
高效液相色谱法是一种分离组分的方法(这是一种分离和检测分析物的分析设备。
高效液相色谱仪的英文写作“High Performance Liquid Chromatograph”,日语中缩写为“HPLC”,有时也称为“Liquid Chromatograph”。
首先,“色谱仪”是一种使用色谱法的分析仪器,色谱法是一种利用化学和物理性质以及相互作用来分离物质的方法。通过色谱法获得的测量结果称为“色谱图”。
据说高效液相色谱法是用于定性和定量分析的最流行的分析方法。
1-1. 高效液相色谱法可以分析什么?
高效液相色谱法可以分离液体中溶解的组分并进行定性和定量分析。目标分析物种类繁多,从低分子量到高分子量,甚至离子型和非离子型,广泛应用于从药品到食品、工业产品和环境水等工业领域。
各领域的主要目标化合物群示例如下:
医药/制药:活性药物成分、小分子药物、核酸、多肽、糖蛋白、脂质等。
食品饮料:糖、维生素、抗生素、残留农药、食品添加剂、反式脂肪酸等。
化学/工业原料、化学产品、合成物质、反应产物等。
环境、水、土壤杀虫剂、除草剂、无机酸、有机酸、有机氟化合物等。
1-2. 高效液相色谱的原理
高效液相色谱法的原理是将液态或液化样品注入色谱柱,利用注入的多种样品组分通过色谱柱的速度来进行分离。
基本上,色谱柱内部有三个元素:样品组分、固定相和流动相。
样品成分 溶解在待分析液体中的成分
流动相泵输送的液体
固定相:柱内填充的球形颗粒上经过化学改性的功能基团
当多种样品组分注入色谱柱时,由于它们在通过色谱柱时与固定相和流动相的相互作用不同,因此它们的通过速度也不同。
如果样品成分和流动相之间的相互作用强,则通过速度会增加,样品会在较早的阶段从色谱柱中流出。相反,如果样品成分与固定相间的相互作用强,则通过速率会降低,样品流出会相对较慢。
2. 高效液相色谱分离方法的类型
高效液相色谱仪由输液泵、进样装置、色谱柱、检测器、数据处理器等设备组成,根据用途可选择三种分离模式。
从这里我们将详细讲解高效液相色谱中的三种分离模式:反相色谱、正相色谱和凝胶渗透色谱。
2-1. 反相色谱法
反相色谱法是一种分离技术,其中通过将高极性溶剂通过低极性柱来洗脱具有短碳链至长碳链的成分。在高效液相色谱的三种分离模式中,这是最常用的。
在反相色谱中,使用低极性填料例如“ODS柱”作为固定相。流动相的基本规则是使用甲醇或乙腈作为强洗脱剂,水作为弱洗脱剂。
固定相:低极性填料(ODS)
流动相:甲醇、乙腈、水
相互作用 疏水性
2-2. 正相色谱法
正相色谱法是一种分离技术,其中低极性溶剂通过高极性色谱柱,按极性顺序洗脱组分。如果说反相色谱是一种响应样品“疏水性差异”的分离方法,那么正相色谱就是一种响应样品“亲水性差异”的分离方法。
在正相色谱中,固定相由强极性填充材料(例如硅胶)制成。流动相的基本规则是使用氯仿或乙酸乙酯作为强洗脱剂,使用己烷作为弱洗脱剂。
虽然与反相色谱法相比其应用有限,但它具有不同于其他分离模式的特性,并且根据目的的不同可能非常有用。
固定相 高极性填料(硅胶)
流动相:有机溶剂(氯仿、乙酸乙酯、己烷)
相互作用亲水性/吸附性
2-3.凝胶渗透色谱法
凝胶渗透色谱法是一种测定合成聚合物材料分子量和分子量分布的分离技术。英文写为“凝胶渗透色谱法”,缩写为“GPC”。根据色谱仪的不同,“凝胶过滤色谱法”也统称为“尺寸排阻色谱法”。
在凝胶渗透色谱法中,固定相是一种孔径适合样品分子大小的色谱柱,可使物质通过色谱柱;流动相是一种非水有机溶剂,可适当溶解样品……
它通常用于化学工业中的聚合物分析,是三种分离模式中应用最有限的。
固定相:孔径适合样品分子大小的柱(聚合物)
流动相 非水有机溶剂
相互作用凝胶渗透
3.高效液相色谱法中的定性分析和定量分析是什么?
在高效液相色谱法中,根据色谱图上显示的峰值时间和面积值来识别和量化分析物。不过有些人可能不知道定性和定量具体指的是什么。
定性是指“分析物的峰值时间”。因此,通过定性分析可以了解“各个成分是什么类型的化合物”。例如,在相同条件下测定阿斯巴甜的标准样品和软饮料时,如果软饮料的色谱图显示“与标准样品同时洗脱的特定峰”,则认为该峰是阿斯巴甜。这可以确定是由于
定量指的是“分析物峰的大小”,换句话说就是面积值或积分值。由于峰的大小与成分的浓度成正比,因此通过定量分析可以确定每种成分的质量和浓度。
在分析某种分析物之前,需要测定多种标准溶液,并根据“样品浓度”和“定性分析得到的峰”制作校准曲线。定量分析的基本原理是根据所建立的校准曲线计算样品中的含量,然后进行定量。
概括
高效液相色谱仪是一种分析仪器,它利用固定相和流动相之间的相互作用,从液体混合物中分离和检测单个成分(称为“分析物”)。它被认为是最流行的用于定性和定量分析的分析方法,也称为“HPLC”或“液相色谱法”。
它广泛应用于医药品、食品、工业产品、环境水等工业领域,可根据用途选择“反相色谱法”、“正相色谱法”和“凝胶渗透色谱法”三种分离模式。关于使用目的。
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